AIに聞いても、答えが出ない人へ
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ChatGPTを開いた。
「何か聞こう」と思った。
で、何を聞けばいいかわからなくて、閉じた。
これ、私だけじゃないと思う。
AIがすごいのはわかってる。プロンプトの書き方も勉強した。なのに、いざ使おうとすると手が止まる。
「何を聞けばいいかわからない」
この状態、実はかなりヤバい。
問題は「AIの使い方」じゃない
最初、私は自分のプロンプト力が足りないんだと思っていた。
だから「いい感じにまとめて」みたいな曖昧な指示をやめて、具体的に書くようにした。条件も細かく設定した。
結果、確かに出力は良くなった。
でも、根本的な問題は解決しなかった。
「で、何を聞けばいいんだっけ?」
この問いに答えられない限り、どれだけプロンプトの技術を磨いても意味がない。
Microsoftで働くエンジニアの牛尾剛さんが、こんなことを言っていた。
「試行錯誤は悪である」
え?と思った。
普通、「まずやってみろ」って言うだろう。トライアンドエラーが大事だって。
でも牛尾さんは違う。一流エンジニアは闇雲に試行錯誤しない。まず事実から仮説を立て、それを検証するプロセスをとる。
つまり、「何を試すか」が最初から明確なんだ。
「何がわからないか」がわからない
ここで気づいた。
AIに聞けない人は、「何がわからないか」がわかっていない。
自分の頭の中が整理されていないから、質問が出てこない。質問が出てこないから、AIを開いても手が止まる。
これ、AIの問題じゃなくて、自分の問題だった。
もう一つ、面白い話がある。
言語学者の佐野大樹さんが書いた本に、こんな一節があった。
「プロンプトの表現の仕方によって、生成AIの知識やスキルをどこまで活かせるかが変わる」
当たり前のことを言っているようで、実は深い。
AIは魔法じゃない。こちらが投げた言葉に応じて、学習した膨大なデータの中から適切なものを返しているだけだ。
だから、投げる言葉が曖昧だと、返ってくる答えも曖昧になる。
逆に言えば、投げる言葉が明確なら、AIは驚くほど的確な答えを返してくる。
問題は、その「明確な言葉」が自分の中にないこと。
頭の中を「見える化」しろ
じゃあどうすればいいか。
答えはシンプルだ。
AIに聞く前に、紙に書け。
「何に困っているのか」「何を知りたいのか」「どんな状態になりたいのか」
この3つを箇条書きでいい。30秒でいい。とにかく書き出す。
私はこれを始めてから、AIへの質問が劇的に変わった。
例えば、以前の私なら「マーケティングについて教えて」と聞いていた。
今は違う。
「30代向けのサブスク商品のLTV(顧客生涯価値)を上げたい。解約率を下げる施策を3つ、優先度順に教えて」
こう聞ける。
何が違うか。
自分が何を知りたいか、整理してから聞いている。それだけ。
「理解」に時間をかけろ
牛尾さんはこうも言っていた。
「頭が良い人でも、複雑な技術の『理解』には時間がかかる」
一流エンジニアは、理解が不十分なまま手を動かさない。理解に時間をかけるからこそ、その後の作業が速くなる。
これ、AIの使い方にも当てはまる。
自分が何を理解していて、何を理解していないのか。
それを整理する時間を惜しむと、結局AIに何を聞いていいかわからなくなる。
もう一つ大事なことがある。
佐野さんは「状況設定」の重要性を説いている。
AIに質問するとき、「誰として」「誰に向けて」「何のために」答えてほしいのかを明確に伝える。
例えば、同じ「重力について説明して」でも、「物理学者として専門家に向けて」説明するのと、「小学校の先生として小学5年生に向けて」説明するのでは、まったく違う答えが返ってくる。
これも結局、自分が何を求めているかを整理することと同じだ。
「まず聞く」をやめろ
ここまで読んで、気づいただろうか。
AIの問題じゃない。
AIに聞く前の、自分の頭の中の問題だ。
「何を聞けばいいかわからない」のは、自分が何に困っているかを言語化できていないから。
言語化できていないのは、整理する時間を取っていないから。
整理する時間を取らないのは、「AIに聞けば何とかなる」と思っているから。
この悪循環を断ち切るには、「まず聞く」をやめるしかない。
じゃあ、今すぐできることを一つだけ。
次にAIを開く前に、30秒でいいから紙に書け。
「今、自分は何に困っているか」
それだけ。
たった30秒だ。でも、この30秒があるかないかで、AIから返ってくる答えの質がまったく変わる。
AIは、あなたの頭の中を覗けない。
だから、あなたが自分の頭の中を見せてやる必要がある。
それができるのは、あなただけだ。
この記事で参考にした本
『世界一流エンジニアの思考法』牛尾剛 → 「理解」に時間をかけることの重要性と、試行錯誤に頼らない思考法
『生成AIスキルとしての言語学』佐野大樹 → プロンプトの言葉の選び方が、AIの回答を左右するという言語学的視点
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データは揃っている。分析もした。なのに、何も決まらない。 情報があっても動けない。その原因は「問い」が間違っているから。AIに聞く前に読んでほしい一本。
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