本を読んでも内容が頭に残らない。ニュースを見ても背景がわからない。
その原因、ずっと「やり方」の問題だと思ってました。
佐藤優さんの『調べる技術 書く技術』には、もっと根本的な答えが書いてありました。
「OS」が古いから。
高校教科書が「OS」
著者が使ってる比喩がめちゃくちゃわかりやすいです。
高校レベルの基礎知識は、パソコンでいう「OS(基本ソフト)」。
OSが古いと、どんなに優れたアプリをインストールしても動かない。
フリーズする。
逆に、OSが最新なら、あらゆる情報がスムーズに処理されます。
だから、最新のビジネス書を追うより、高校の教科書を学び直すほうが効果的。
具体的には4つ。
- 日本史A
- 世界史A
- 政治・経済
- 数学I・A
最初これ見たとき、「今さら高校の教科書?」と思いました。
でも考えてみると、ニュースを読んでも「なぜこうなったのか」がわからないのは、歴史や政治の基礎がないから。
論理的に考えられないのは、数学的な思考のトレーニングが足りてないから。
OSをアップデートしないと、何を入れてもうまく動かないんです。
「分析力」はAI、「総合力」は人間
この区分が面白かったです。
「黒い犬は黒い」= 分析力(AIが得意)
データに基づいて論理的に導き出される判断。
「黒い犬は優しい」= 総合力(人間が担う)
経験や価値判断、創造力を動員して付加価値を生み出す判断。
AIが台頭する時代に、人間は何をすべきか。
分析力はAIに任せて、総合力で勝負する。
マニュアル通りにやるだけじゃ、いずれ代替されます。
だから「工夫」や「気遣い」といった付加価値を加える。
著者はこれを「知的生産の濃度を高める」と呼んでいます。
1冊のノートに全部書く
具体的な方法で良かったのが、これ。
スケジュール、日記、アイデア、読書メモ、全てを1冊のノートに手書きで集約する。
なぜ1冊か。
「どこに書いたか」を探す手間が省けるから。
なぜ手書きか。
手を動かすことで、情報が記憶に定着しやすくなるから。
特に読書ノートでは、2つを書きます。
- 抜き書き:重要だと感じた箇所をそのまま書き写す
- コメント:「わかった」「わからない」「賛成」「反対」と書き加える
これで知識が血肉化されます。
「参照不可」で書く
これが一番実践的でした。
あるテーマについて、資料を一切見ずに自分の知識だけで文章をまとめてみる。
これやると、本当に理解してることと、わかったつもりのことの差がはっきりします。
「あれ、これ説明できない」と気づいたら、そこがまだ血肉化されてない部分。
逆に、スラスラ書けるなら、それは本当に自分のものになってる。
シンプルなテストですが、効果は大きいです。
SNSは「時食い虫」
著者、SNSにかなり厳しいです。
「時間と思考を奪う『時食い虫』」
中毒性が高い。時間を浪費する。
さらに、閲覧履歴に基づく情報の偏り(フィルターバブル)を生む。
「生涯所得と出世が左右される」とまで言ってます。
正直、これは言い過ぎな気もします。
現代のコミュニケーションにおけるSNSの利便性を過小評価してる面もあるかなと。
でも、SNSに時間を取られすぎてる自覚がある人には、刺さる言葉かもしれません。
読んでから変わったこと
「OSをアップデートする」という考え方が残りました。
最新のビジネス書やニュースを追うより、まず基礎知識を固める。
歴史や政治・経済の入門書を読むようになりました。
すると、ニュースの理解度が上がった気がします。
点だった情報が、線で繋がるようになりました。
こんな人に読んでほしい
- 本を読んでも頭に残らない人
- ニュースの背景がわからない人
- AIに代替されない力を身につけたい人
- 情報を「知識」に変えたい人
「最新」より「基礎」。
OSをアップデートすれば、あらゆる情報がスムーズに処理される。
この本が言ってるのは、結局これだけです。
高校教科書、侮れません。