「話し方」の本なのに、話すなと言われる。
タイトルに騙されました。
永松茂久さんの『人は話し方が9割』は、話術の本じゃなかったんです。
この本が言ってるのは「聞くこと」の重要性です。
人間心理の「三大原則」
著者がいきなり核心を突いてきます。
- 人は誰もが自分のことが一番大切で、自分に一番興味がある
- 誰もが自分のことを認めてほしい、わかってほしいと思っている
- 人は自分のことをわかってくれる人を好きになる
つまり、相手を「会話の主役」にすると、相手から好かれる。
逆に、自分が話しまくると、相手は「自分の話を聞いてもらえなかった」と感じる。
だから話し上手になりたいなら、まず聞き上手になれ、と。
逆説的ですよね。
でも考えてみると、「この人と話すと楽しい」と感じた相手って、自分の話をよく聞いてくれた人じゃないですか。
営業成績が5倍になった話
これが一番「へー」と思ったところです。
保険営業マンの話。
この人、著者のファンで懇親会に来ました。で、15分以上、自分の話や商品の話をし続けた。
売上は伸び悩んでいたそうです。
著者からのアドバイス。
「話すのを2割に抑えて、顧客が何を求めてるかヒアリングに徹しろ」
この人、即実践しました。
結果、半年で営業成績が5倍に。
5倍ですよ。話すのを減らしただけで。
「拡張話法」という技術
相手に気持ちよく話してもらうための5ステップがあります。
1. 感嘆:「へぇ!」「すごい!」
2. 反復:相手の言葉を繰り返す
3. 共感:「それは大変でしたね」
4. 称賛:「さすがですね!」
5. 質問:「それで、どうなったの?」
このステップを使うと、相手が9割話して、自分は1割聞いてるだけ。
でも相手は「この人と話すと楽しい」と感じるんです。
不思議ですよね。自分はほとんど話してないのに、相手は満足してる。
「4Dワード」を避ける
嫌われる話し方の代表が「4Dワード」。
- でも
- だって
- どうせ
- ダメ
この4つを多用すると、会話がネガティブになります。
相手は「この人と話すと疲れる」と感じる。
正直、自分も心当たりがあって、読んでてちょっと痛かったです。
特に「でも」。これ、無意識に使ってた。
「でも」を「なるほど、それで?」に変えるだけで、会話の空気が変わります。
「しくじりリスト」を作る
これ、面白いと思いました。
自分の失敗談をリストにしておく。
なぜか。
人は成功談より失敗談に共感するからです。
完璧な人より、ちょっと抜けてる人のほうが親近感がある。
失敗談を話すと、相手は安心して心を開きます。
「この人も失敗するんだ」と思うと、距離が縮まる。
自慢話をしたくなる気持ちはわかります。でも逆効果らしい。
読んでから変わったこと
「拡張話法」の5ステップを意識するようになりました。
特に「反復」。
相手の言葉をそのまま繰り返すだけで、「聞いてもらえてる」感が出ます。
「最近忙しくて」 「忙しいんですね」
これだけでいい。
あと、「4Dワード」を避けるようになりました。
「でも」を言いそうになったら、「それで?」に変える。
こんな人に読んでほしい
- 話すのが苦手で、会話が続かない人
- つい自分の話ばかりしてしまう人
- 「聞く」を具体的にどうすればいいかわからない人
- 営業成績を上げたい人
話し方を上げたいなら、話すな。聞け。
相手を主役にしろ。
シンプルですが、忘れがちなことです。
この本、「話し方」の本じゃなくて「聞き方」の本でした。
合わせて読みたい
『人は聞き方が9割』永松茂久 同じ著者の「聞く」に特化した一冊。「魔法の傾聴」5つの要素をさらに深く学べます。
『LISTEN』 「傾聴」の技術をもっと深めたい人に。聞くことの本質を理解できます。
『伝わっているか?』小西利行 相手の心を動かす伝え方を学びたい人に。「拡張話法」と組み合わせて使えるメソッドが学べます。